前回山ヒンカリを紹介したので今回は町ヒンカリを。
現在一般にヒンカリというとこちらの方が多い。肉汁がたっぷり入っていて一口かみつけば熱々のスープで火傷しそうになるくらいのが町ヒンカリの特徴。一つ一つの大きさは山ヒンカリよりも心もち大きめ、生地もシルキーな滑らかさをもってよしとする。
山ヒンカリと町ヒンカリの違いは形状だけでなく中の具にも現れる。町ヒンカリの多くが牛豚合挽きなのに対して山ヒンカリは牛や羊肉を使うことが多い。またキンズィ(いわゆるパクチーのこと)を肉に混ぜるのが町ヒンカリで山ヒンカリにはハーブ類は入らない。
食べ方も注意が必要だ。本場の食べ方はナイフ、フォークを使わずに手づかみで食べる。片手で生地を包み上げたヘソのようなところを持ちもう片手で腹の部分をかるく抑える。まずは小さく生地に穴をあけるようにかじりついてみて熱々のスープを吸い出す。火傷に注意。汁気がなくなった後、おもむろに一口二口と頬張ろう。丸ごと食べてしまってもいいし、ヘソの部分を残しても無作法には当たらない。
グルジア料理作法にナイフ・フォークが導入されたのがいつだかはわからないが手づかみで食べる料理はほかにもある。
グルジア/ジョージアで観光ガイドをしています。お問い合わせはこちらから